フォローしている方の投稿を見て、面白そうだったので買った。執筆陣に好きな作者が多かったのと、特にウティット・へーマムーンの名前があったのは大きい。届いてすぐ「心焦がすサイゴン」を読んだ。感情がねじ切れるかと思うほど良かった。へーマムーン氏の描くタイ人はチャオプラヤ川を原風景として強く抱いている。異国においても川は彼らの意識から切り離されることはなく、どこにいても彼らのチャオプラヤ川に繋がっている、そういう強い感情を今作にも垣間見た。生きることと国あるいは政治というものが強く密接し合い、混じり合って肉体をなす人々の人生。その、一場面。