ふたりして、あれもそれも全部放り出してゆこう。 日常からほんの少し離れるための、 はじめから辿り着くあてさえ持たない小さな旅、 ただ《此処》ではない《何処》へと。
終わりゆこうとする夏の光ほど、 どこまでも、いまさらのように眩しくて、 遠く低く吹き抜けてくる海風をデッキで待てば、 ぼくらの眼に映るもの、そのすべて、 陽炎みたいに翳んで浮かんで、 定着にいまだ満たぬ、その消えぎえの。
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